足場の歩み ASHIBA NO AYUMI

「安全」と「効率」への挑戦

足場を、いかに安全に使ってもらえるか。いかに安全かつ迅速に組み上げることができるか。足場の歴史は、「安全」への飽くなき追求とともにありました。さらに、「効率」という課題もそこに加わり、相反する二つの要素をいかに両立させるかという飽くなき闘いでもありました。
そんな足場の歩みを、すこし紐解いてみたいと思います。

日本においては、仮設資材(足場)といいえば、古くは丸太足場のように多くは木材でつくられていました。まっすぐな細い丸太を、建て前の済んだ構造物の周りに組んで、その後の工程をやりやすいように足場を組む。・・・というのはもう昔の話。今ではほとんど見かけることはなくなりましたが、伊勢神宮で20年に一度行われる神宮式年遷宮に代表される神事祭礼の際には、古式にのっとり丸太足場を組んで行われる場合もあります。しかし今ではほとんどの場合、鋼管と鋼材の機能的なくさび足場を使います。丸太足場もくさび式足場も一長一短があります。丸太足場は失われつつある技術です。丸太足場が使われなくなった理由のひとつは、昭和20年の後半、日本の資源利用合理化推進運動が林野庁から唱えられるようになり、その為木材にかわり大手の建設業者の間では鋼管足場の開発の研究が本格化しました。

  • ※ 杉、ヒノキ等の細い間伐材を鉄線(ナマシ番線等)で締め上げて固定する昔ながらの足場の仮設方法のこと。安全性の観点から金属製の足場に取ってかわられつつあるが、必要材料が少なくすむため、住宅、低層ビル等の塗装、解体工事にはいまだに使われつる場合が稀にあります。

伊勢神宮の神宮式年遷宮ので実際に使用された丸太足場 伊勢神宮の神宮式年遷宮ので実際に使用された丸太足場 伊勢神宮の神宮式年遷宮で実際に使用された丸太足場

丸太足場の
「安全」と「効率」

当然のことながら、現在の金属製のものと比べると、木でできた丸太足場の安全性・堅牢性は大きく劣ります。効率という面を見ても、純粋な作業効率は他の足場にやや劣ります。
しかし一方で、部材の取り回しやすさ、必要量の少なさにおいて丸太足場は大変優れています。シンプルであるがゆえの強みが、丸太足場にはあります。
今につづく長い伝統を誇る丸太足場ですが、金属製足場が主流になるにつれて職人の数が減り、後継者不足が問題視されているようです。

歴史的資料に登場する丸太足場

富獄百景(三編)「足代の不二」

葛飾北斎:富獄百景(三編)「足代の不二」
3巻からなる絵本で、初編天保5年(1834年)刊行、二編は天保6年(1835年)、丸太足場が描かれている三編は刊行年不明(かなり遅れたとの説も!)。富士山を画題に102図を描いたスケッチ集であるが、当時の風物や人々の営みを巧みに交えたもので、この作品内で、丸太足場で生き生きと働いている左官職人の描写が見てとれます。

東海道五十三次「吉田」

東海道五十三次「吉田」
絵の右側に見える吉田城は、豊川と朝倉川の合流する天然の要害(ようがい)に築城された平山城であった。最初にここへ城を築いたのは今川氏の重臣、牧野左衛門入道であったが、桶狭間の戦い(1506年)で今川氏が敗れた後は徳川家康がこれを手中に収めた。この川に架かった豊川橋(吉田橋)は、東海道三大橋のひとつで、長さは120間(216米)あった。橋の東の袂に船町があり、吉田湊といわれ、熱田湊と並ぶ伊勢湾の交通の中心であった。この絵の城は普請中である。作業中の職夫の一人が城の南西にあった入道檜で組まれた足場の上から手をかざして吉田橋を渡る大名行列を眺めているのが見てとれます。

その後、昭和28年の春ごろ、大手技術者の技術者の集まりである「水曜会」において丸太足場に替えて鋼管製の足場が提言、検討されたといわれています。そして翌根年5月に日本ではじめて東京都大手町の東京産業会館の施工現場で単管足場が使用され、高さ約33M、足場面積400坪(1,320平米M)の規模で行われました。また、現在の足場の主流となっている枠組足場については、昭和28年5月にビテイ・スキャフォード株式会社が枠組足場の部材の製作について株式会社石井鐵工所の高浜工場に依頼しこの時つくられたものが国産第一号となります。

  • ※ 直径48.6mmの単管と呼ばれる鉄パイプを組み合わせて建てる足場のこと。パイプ同士はクランプ(金具)をかみ合わせ、ボルトを締めて接合する。小規模な工事、作業現場や狭いビル間での足場に用いられることが多い。

昭和28年日刊建設工業新聞の東京大手町の東京産業会館の施工現場記事昭和28年日刊建設工業新聞の東京大手町の東京産業会館の施工現場記事

枠組足場の
「安全」と「効率」

枠組足場の強みは、何といっても安全性。現在も高さ50m級を超える大規模改修工事のほとんどで枠組足場が使われていることからも、その強固さ、堅牢さがうかがえるでしょう。
また、あらかじめ地上で組み立てた足場をクレーンで吊り上げて一気に組み上げていく大組・大払という特殊な施工法が可能なことも特徴の一つ。このことも、大規模工事に強いと言われる所以です。

総じて、安全面・効率面ともに大規模工事との相性が良い枠組足場。半面、複雑なつくりの建物や中小規模の工事の際には大きく効率が落ちてしまうという欠点があり、良くも悪くも大規模工事に特化した足場だと言えます。

しかしながら枠組足場は昭和30年ごろに至っても、一般の建設業界では、枠組足場は使用しやすくかつ安全性が高いといわれながらもイニシャルコストが高く、かつ単管足場と比較してそれにかかる部材が多いという理由で普及が進まず、造船所や土木の一部現場で使用されるにとどまりました。

そして、近年、日本に住宅事情から木造家屋等低層住宅では、足場を設置する敷地が狭く、建物の形状が複雑であるため、それに対応すべく盛替え、組み替え作業が簡単にでき、建物の形状に用意に対応できる足場として「くさび式足場」が使用されています。
この足場は、一定間隔に緊結部を備えた鋼管を建て地(支柱)とし、緊結部付の水平材、鋼材等を建て地の緊結部にくさびで緊結し、床付き布枠を作業床とした足場で、部材がユニット化されておりハンマー1本で組立が出来る。
従来、木造家屋等低層住宅工事用の足場として使用されてきましたが、近年、その足場の部材を用い本足場として組み立て、中層建築工事用の足場としても非常に多く利用されています。1979年株式会社大三機商会(現、株式会社ダイサン)が国内初めての、くさび緊結式足場であるビケ足場を開発したことから、くさび緊結式足場のことを、ビケ足場と呼ぶ場合があります。

くさび式足場の
「安全」と「効率」

「安全と効率の両立」。これこそが、くさび式足場の最も大きな特徴です。
枠組足場に劣らぬ耐久性、細かい部材を組み合わせることで複雑な形状にも対応可能な柔軟さ、ハンマー一本で施工可能な扱いやすさ。足場作業で求められるすべての条件を高いレベルで満たしています。

法律の問題や大組・大払を行えないという点で大規模工事においてこそ枠組足場に一歩劣りますが、どんな現場でも優れたパフォーマンスを発揮できるオールラウンダーと言えるでしょう。

次世代足場SPSの
「安全」と「効率」

くさび式足場にストッパー機構を搭載したSPSは、くさび式足場を超えたスーパーオールラウンダーとして注目を集めています。その性能を一言で表すと「大組・大払ができるくさび式足場」。“くさび”と“枠”の両方のメリットを併せ持つSPSは、大規模工事を含むあらゆる工事内容において高いパフォーマンスを発揮します。

ちなみに、数年前に発表されたばかりのこの足場材を、他社に先駆けいち早く取り入れていることも、平尾化建の自慢の一つであったりもします。

平尾化建と足場の20年

「日日是新」、これが私たち平尾化建の社是です。
毎日新しいことに挑戦し、発見し、成長していく。
そんな思いが込められています。

私たちは20年前に商社から
足場架設業へと業態転換を行い、
現在まで一貫して発展し
全国に営業所網を築いてまいりました。
「提案力」と「施工力」。
足場会社の本質ともいえる二本柱を武器に、
おかげさまで平尾化建は1000社を超える企業から
信頼をいただくまでに至りました。

しかし、足場の技術革新や安全の追求に
終わりはありません。
最新足場材の導入、積極的な新卒採用、
安全に主眼を置いた統一教育方針の策定・運用など、
常に前回より少しでも良い工事を行うべく
邁進していく所存です。

今後も平尾化建は提案力、施工力に
更なる磨きをかけ、
お客様のあらゆる要望に最善の答えを用意できる
足場の相談窓口を
目指していきます。

いち足場会社から
「日本一の足場コンサルティング集団」へ。
これが、平尾化建の次なる目標です。